019 ゲームの終わり(上) -東日本に存在する国々が加盟した〈自由都市同盟イースタル〉が連絡を取ってきたので、円卓会議は悩んだ。
〈自由都市同盟イースタル〉に参加した場合は、貴族位をプレゼントされて、大地人の政治の面倒事に巻き込まれ。
〈自由都市同盟イースタル〉に参加しない場合は、大地人との交渉ラインを一つなくしてしまう事になる。
結果的に円卓会議は洒落にならないチート軍事力を持っているので、それに安心して参加する事になった。 --
現実世界で云う北海道は〈エッゾ帝国〉。
四国は〈フォーランド公爵領〉。
九州は〈ナインテイル自治領〉。
本州の東半分を〈自由都市同盟イースタル〉。
西部を〈神聖皇国ウェストランデ〉。
(´・ω・`)あとで世界のサイズが現実世界サイズになるから、統治とか大変だろうなぁって気がする。
020 --〈自由都市同盟イースタル〉の宮廷で貴族相手に外交交渉したり、主人公が慣れないダンスを音ゲーの要領で踊っていた。
お互いに相手の情報が少ないので、両者とも情報収集もやりながら、交渉は長期戦になりそうだった。
円卓会議は複数のギルドによる連合なので、一人だけに貴族位をプレゼントすると、内部で序列ができてしまう問題がある。
シロエは思考を巡らせる。
おそらくシロエたち〈円卓会議〉が〈自由都市同盟イースタル〉の情報を完全には把握していないのと同様に、〈自由都市同盟イースタル〉もまた〈円卓会議〉の情報を把握し切れてはいないのだ。
(´・ω・`)諜報網だけは、現時点だと大地人の方が圧倒していると見た。
021 -- コーウェン家の娘レイネシアは、宮廷そのものが面倒くさくて、さぼりたいと思っている娘だった。
そんな内心を、冒険者のクラスティに見破られた事で、遠慮なく気軽に過ごせると判断している。
クラスティが円卓会議の超重要人物の1人なので、一緒にいれば公然と宮廷での出来事を無視してさぼれるのだ。
だがっ!それらも全て見破られていたので、レイネシアは恥ずかしい気持ちになった。
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「わたしはこの宮廷では目下注目の人物ですから。二人でお茶を飲んでいたと仰れば、行事や茶会など適当にさぼっても云い訳はつきます。ご両親も褒めてくださいますよ」
クラスティの言葉は一瞬レイネシアの思考を止める。
(´・ω・`)フラグって奴だと理解した。こりゃ仲良くなる。
022
----〈自由都市同盟イースタル〉との交渉で、大地人は膨大な数のゴブリン達に困っていたから、円卓会議に戦力の派遣をお願いしていた。
大地人の戦力だと死亡したら復活できないし、冒険者を可能な限り使いたい。
だが、円卓会議の方は安く買いたたかれると厄介だから、買値を上げるような交渉をやっている。 --
その勢力は兵力にして約一万。しかもその個々人の戦闘能力は生半可な熟練騎士など及びもつかぬほどの精兵だと云われ、貴族のもつ領地騎士団に換算すれば、数万人分の戦力だとも云われている。また、経済規模についても、〈自由都市同盟イースタル〉最大のマイハマ領には劣るかも知れないが、ほぼ比肩するほどではないかと噂される。〈自由都市同盟イースタル〉に突如として現われた、巨大勢力と云うことになるだろう。
(´・ω・`)死なない分、最強の軍隊に違いない。
023 --水 着 回 っ!
円卓会議は、優秀な裁縫師に下着や水着を作らせている。
主人公達の方は、両勢力ともお互いに正確な評価が出来ていないので困っていた。
うっかり示威行動して恐怖をばら撒いたら逆効果なので難しい所である。 --
アキバの街の〈裁縫師〉達が目をつけたのが、「水着」だった。
美麗なグラフィックが売りであった〈エルダー・テイル〉には外見変更を含む装備にも特殊なアイテムが多い。「水着」はその一種で、多くの場合レアなレシピとして存在し、イベントなどで特殊なレシピがプレゼントされることもあった。
もちろん「水着」と「下着」は違うものだ。
吸湿性や、長時間つけたときの肌ズレなど相違点はある。しかし、事態は些細な相違点に目をつぶれと云っている。そんなわけでアキバの街の下着事情は、優秀な〈裁縫師〉達によって緩和されていった。
(´・ω・`)ちゃんと、漫画化、アニメ化のためのサービス回まで用意しているなーって回だった。
024
-^^--世界級魔法を研究している学者さんから、世界そのものを変える魔法や、昔の事を聞く事ができた。
主人公達がいた世界は、旧世界と呼ばれており、この世界は昔はもっと繁栄していた。
だが、お互いに奪った魔法技術で泥沼の戦争をしたせいで、膨大な人間が死亡する事となり、世界級の魔法が使用され亜人間と呼ばれるモンスターが発生しちゃったのだ。
亜人間の脅威による最悪の暗黒時代の始まりである。 --
「亜人間の発生と云いますが、ことは異種交配であるとか生化学的な問題ではないとわたしは考えています。これは師匠がやっていた辺りの研究なのですが、どうもこの〈森羅変転〉には〈魂〉が関係しているのではないかというのが、現在わたしの立てている仮説なのですが……。
少なくともその当時、世界には非常に多くの魂素材が溢れていました。度重なる戦争により世界人口は半数近くにまで激減していたからです。そして、その魂素材が、亜人間発生の材料として使われた。
戦争によって減少してしまった人類は、あちこちから雲霞のように沸いてきた亜人間によって一挙に窮地に追い込まれます。多くの都市が陥落し、無敵を誇っていたはずの軍は壊滅。国という国の殆どは解体されてしまいました。
いま現在、この列島……古名で云えばヤマトですね。ヤマトにおいて、この300年前の国家として残滓が残っているのは〈古王朝ウェストランデ〉のみです。〈自由都市同盟イースタル〉の街や都の数々など、田舎の小村でしかなかった。
亜人間の発生により、世界は現在のような『亜人間の侵攻と戦いながら狭い文明圏を必死に守る人類』という構図に大きく変化を遂げたのです。世界は暗黒に閉ざされました。最終的に人間達は、追い詰めた〈六傾姫〉を倒しますが、彼女達の復讐は成功したと云って良いでしょう」
(´・ω・`)凝ったゲーム設定だ。なんというか、大地人から見ると末期的すぎる。
025 --亜人間の転生システムと、冒険者の転生システムは似ていた。
亜人の場合は死ねば記憶を失って転生し、疑似的な不死が実現している。
冒険者が死ねば記憶の一部が消失し、死ねば死ぬほど記憶がなくなっていくというリスクを知る事になる。
死 は ノ ー リ ス ク じ ゃ な い ! --
026 ^^^死ねば、記憶の一部が消失すると知った主人公は、ダンジョン攻略中の〈記録の地平線〉のメンバーが気になった。
幸い、基本を守っているので順調に攻略が出来ており、大地人が冒険者の振りをして、パーティに紛れ込んでいるだけだった。
主人公は、仲間達に死はノーリスクじゃない事を伝えようかどうか悩む ^^
『そうです。ハンサムな人なんですけれど……お馬鹿というか。でも、すごく意地っ張りで格好悪くて楽しい人です。五十鈴さんと仲が良いんですけれど、すごい魔法を使います。それに、敵を倒すまで一歩も引かないです。多分わたし達の中で、一番真面目じゃないでしょうか』
(´・ω・`)死ねば復活できない大地人だから、真面目になって当たり前な有様だよっていう伏線だった。
027 --浜辺から大量の〈水棲緑鬼〉(サファギン)が現れた。
教師役の冒険者達は、ダンジョン攻略のために集まっている初心者プレイヤー達を集めて撤退戦を開始。
山からはゴブリンの軍隊がやってきていた。
冒険者達は数が多すぎるモンスター相手に戦う嵌めになり、嫌な予感を感じている。 --
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